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この百合マンガがすごい!2014

 

 今年も多くの百合物件がこの百合豚の身体の上を通り過ぎて行きました。百合物件だけで費やした金額は今年だけで10万は固いのではないかと思います。

 先日発売された『このマンガがすごい!2014』に触発されたので、今回は今年単行本が刊行された百合漫画に限定して本家通りにTOP10にランク付けして紹介します。

 あくまで僕の独断と偏見によって作られたランキングであることをご了承ください。

 

 

 

 第10位 森永みるく「ひみつのレシピ」(全2巻)

ひみつのレシピ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

ひみつのレシピ (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

 

 「くちびるためいきさくらいろ」「GIRL FRIENDS」などの大傑作を連発するご存知、森永みるく先生。

 料理ベタな今どきのギャルが料理部の堅物部長に惚れてしまい、猛烈なアプローチを始めるコメディタッチな本作は森永先生ならではのキラキラとした可愛らしさが存分に発揮されています。ライト層にもオススメ。 

 森永先生は現在、女の子同士のバディものである「学園ポリーチェ」を連載中。こちらも要注目です。

 

 

第9位 玄鉄絢「星川銀座四丁目」(全3巻)

星川銀座四丁目 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

星川銀座四丁目 (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

 

  アニメ化もされた本格成人向け百合マンガ「少女セクト」で一世を風靡した玄鉄絢先生の連載作品が今年完結。

 複雑な家庭の事情を抱えた小学生の女の子をダメダメな女教師が引き取ったことから始まる二人の共同生活。年齢差の問題、家庭の問題、精神的な問題など様々な壁にぶつかりながらも流れていく二人の愛あふれる生活に思わずニンマリ。

 それぞれの成長をしっかりと描き、華麗に着地させた作者の力量の拍手。

 

 

第8位 須河篤志「前略、百合の園より」(全2巻)

前略、百合の園より (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

前略、百合の園より (1) (まんがタイムKRコミックス つぼみシリーズ)

 

  「つるた部長はいつも寝不足」「不器用な匠ちゃん」などで知られる須河篤志先生による初の本格百合漫画。

 目立つ風貌と無愛想な言動で周りから恐れられながら、実はBL漫画を描くのが好きな純情女子高生・百合と、周囲から「聖人君子」と呼ばれるほど慕われているが実はドSで腹黒なクラスメート・美園。美園が百合の秘密の趣味を知ったことからあらゆることは正反対な二人は交流を深めていく――という作品。

 本来の自分とすれ違っていく周囲からのイメージに悩まされる二人が、お互いの本当の姿を知ってぶつかり合いながらも距離を縮めていく本作。パターンとしては典型的ですが、キャラクター描写の上手さがストーリーに深みを齎してくれています。美園のドSな言動に心をくすぐられてすぐ頬を真っ赤にする主人公の百合が愛おしい!

 第1巻に収録された短編「恋初め」も秀作。作者自身があとがきで公言しているように、極端なまでにキャラ付けされたギャップ百合を心ゆくまで楽しめます。

 

 

第7位 月子「彼女とカメラと彼女の季節」(1~3巻)

彼女とカメラと彼女の季節(1) (モーニング KC)

彼女とカメラと彼女の季節(1) (モーニング KC)

 

 普通の女子高生・あかりは寡黙なクラスメート・ユキのカメラ趣味を知ったことからユキの不思議な魅力に惹かれていく。そこにユキの幼なじみでありあかりに惚れている野球部員の凛太郎が加わって複雑な三角関係が進展していく――。 

 現在、飛ぶ鳥落とす勢いで評価が高まる月子先生が現在も連載中の本作。男性キャラ否定派の百合好き諸氏にはなかなか厳しい展開が続くストーリーですが、繊細なタッチで描かれる人間関係の妙は一見の価値あり。

 なかなか思考の底が見えないユキの存在が混乱を招いていく三人の関係。強烈な片思いがぶつかりあって物語はますます加速。今後の展開に目が離せない一作です。

 

 

第6位 竹宮ジン「steps」

steps (IDコミックス 百合姫コミックス)

steps (IDコミックス 百合姫コミックス)

 

 同じく百合マンガである「想いの欠片」も好評連載中の竹宮ジン先生、百合姫では四冊目のコミックス。

 八歳の歳の差に加え教師と生徒という関係をネックに、なかなか前へ進めない二人を描く「STEP UP」を始め、少し大人な香りが漂う中・短篇集。新刊を出す度に期待に答えてくれる、常に高いクオリティを保つこの才能。これぞ安定の竹宮節!

 本作は過去の短篇集を読んでおいたほうが更に楽しめる、という点もありますが、それ抜きでも充分に読み応えのある佳作です。 

 

 

第5位 百乃モト「レイニーソング」

レイニーソング (IDコミックス 百合姫コミックス)

レイニーソング (IDコミックス 百合姫コミックス)

 

 同人創作百合界ではすでに有名な百乃モト先生の、「キミ恋リミット」に続く二作目の商業百合作品。 

 オシャレや恋愛にピンとこない女がレディースバーで出会った女バーテンダーに恋したことから変化していく姿を描く「くらやみでアスタリスク」を始め、完成度の高いドールを観ているかのように綺麗な作画で描かれる全四編の短篇集。

 とにかくその世界観に酔いしれましょう。それにしても百乃先生の描く髪の毛はどうしてこうも繊細で、読んでいて質感が強烈に伝わってくるのだろう。

 

 

第4位 天野しゅにんた「私の世界を構成する塵のような何か。」(1~2巻)

私の世界を構成する塵のような何か。 (1)巻 (IDコミックス 百合姫コミックス)

私の世界を構成する塵のような何か。 (1)巻 (IDコミックス 百合姫コミックス)

 

  アダルティな作風で描かれる独自の世界観が魅力な天野しゅにんた先生、初の本格連載は七人の女子大生達による群像劇。

 各々に事情を抱え、多種多様な恋愛観が衝突し、複雑に絡み合う人間関係が確かな手腕によって明確に描かれていきます。身を切られるような心理描写がイチオシの読みどころ。

 大人の階段を進んでいくような、一歩先に踏み込んだ空気感が魅力な本作、今月18日には完結となる3巻が発売予定。未読の方は今のうちに読んで備えておくのはどうでしょう。

 同作家さん去年刊行された短篇集「初恋構造式」といった過去の作品群もオススメ。

 

 

第3位 雨隠ギド「終電にはかえします」

終電にはかえします (ひらり、コミックス)

終電にはかえします (ひらり、コミックス)

 

  本家「このマンガがすごい!2014」に「甘々と稲妻」がランクインして人気急上昇中の雨隠ギド先生、初の百合短篇集。

 女子アナになって玉の輿を目指す女子高生・あさきが同じ電車に乗り合わせプリン頭の後輩・ツネと心を通じ合わせていく様を描く表題作や、自分に触れることのできた少女の成長を見守る女子高生の幽霊が主人公の「永遠に少女」など、実力派の才気走る珠玉の作品群となっています。

 他の作品も素晴らしいのですが個人的に好きだったのは、姉の友人に惹かれていく少女の幼い恋心を描いた「大人の階段の下」。愛くるしくも少し切なさを覚えるラスト、最高でした。

 それにしてもボーイズラブ作家が時々描く百合マンガの完成度の高さは異常だなあ。

 

 

第2位 四ツ原フリコ「ライカ、パブロフ、ポチハチ公」

ライカ、パブロフ、ポチハチ公 (ひらり、コミックス)

ライカ、パブロフ、ポチハチ公 (ひらり、コミックス)

 

  傑作「スリーピングビューティの見た夢」以来3年ぶりとなる四ツ原フリコ先生、二作目の短篇集。

 

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 誰もが振り返る美女だが心の闇を抱える女子大生と、まるで犬コロのように従順なおっかけ少女の関係を描く表題作や、幼なじみに叶わぬ恋をする今どき珍しいヤンキー女子高生と、彼女に新作のモデルを依頼する小説家の少女による「恋を描く人」など全六編からなる本作。

 正統派少女漫画タッチの画風で描写される小細工なしの百合物語の数々は、キャラの愛くるしさも相俟って読んでいて思わず床を転がりたくなるようなシナリオが目白押し。初心者にも安心。僕も大々プッシュの百合作家です。

 それにしても四ツ原先生の描くキャラクターは誰も彼も可愛すぎてハゲる!

 

 

第1位 志村貴子「青い花」(全8巻)

青い花 1巻 (F×COMICS)

青い花 1巻 (F×COMICS)

 

 天才・志村貴子先生の描く本格百合漫画の金字塔も九年間の連載の末、今年ついに完結。

 百合漫画の大定番として今後数十年に渡り末永く読まれ、ゆくゆくは古典として語り継がれるであろう世紀の大傑作。

 説明は不要。まだの方はとにかく読みましょう。完結本当にお疲れ様でした。

 

 

 どれもこれも素晴らしい作品ばかりだったので、ランク付けが本当に大変でした。他にも今年二作を同時刊行した森島明子先生の「初めて、彼女と。」や、かずまこを先生の「名前はまだない」などプッシュしたい作品があるのですが今回はここまで。 今年もステキな百合をありがとうございました。来年もいい作品に会えるといいな。