もしもイクラちゃんが言葉の勉強をしたら
「はじめまして。今日はイクラちゃんと一緒に言葉の勉強をしたいと思います」
「ハーイ」
「イクラちゃん、今日も頑張りましょうね」
「バブー」
「ちなみの今日のお勉強のことは誰にも言っちゃダメですよ。禁句ですからね」
「タブー」
「なんでもイクラちゃん、アレに手を出してひと儲けを企んだところ、逆に借金を背負ったようですね。一体何に手を出したんですか?」
「カブー」
「素人が株に手を出すのは危ないですよ。危ないといえばそう、毒蛇ですね」
「ハブ―」
「おっと大変、咬まれてしまいました。すぐにお医者さんへ行かないと。タクシーを呼びましょう」
「キャブ―」
「えっ、医者なのに治療法がわからない?」
「ヤブ―」
「なんという医者だ。許せない。パンチでも喰らえ!」
「ジャブー」
「うう、咬まれたところに虫がたかってきたぞ」
「アブー」
「虫の存在を無視できない。なんちゃって!」
「サブ―」
「仕方ないですね。薬を打って忘れましょう」
「シャブー」
「薬を打って気分が」
「ハーイ」
「喉が渇いたのでインドのお茶でも飲みましょう」
「チャーイ」
「それにしてもインドにはいろんな動物がいますね。あの鼻からツノが生えているのは」
「サーイ」
「海の幸も豊富ですね。アワビ、シジミ、ハマグリ……」
「カーイ」
「ん、あの魚はたしかおめでたい時なんかにお頭付きで食べるやつだ」
「ターイ」
「お金がないと何もできないなあ。でも貸してくださいなんて恥ずかしくて言えないし。こう見えても僕は」
「シャーイ」
「そうだ、あそこにいる人を脅してカツアゲをしましょう。おうおう、おどれ一体ナンボのもん」
「ジャーイ」
「逆に殴られてしまいました」
「ジャブー」
「あっ、もう殴らないでください。このままじゃ死んじゃう」
「ダーイ」
「うう、イライラしてきた。あれをひっくり返したくなってきたぞ」
「チャブー」
「ダーイ」
「仕方ない、カンパを募ってお金を集めるために、ウソをつきましょう」
「ラーイ」
「あっ、お金を入れてくれたぞ。それも、とてもキレイな女性が!」
「マブー」
「まあ僕は女性だけではなく、男性も恋愛対象なんですけれどね」
「バーイ」
「すごい。もうこんなにお金が集まった。やっぱり世の中には人間にとって一番大切な、あれがあふれているなあ」
「アーイ」
「それを英語で言うと?」
「ラブー」
「そして集まったお金で」
「カブ―」
「もしくは」
「シャブー」
「今日の言葉の勉強はここまで。それでは皆さんごきげんよう」
「バーイ」
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