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いろんな表現で食べログを書く

 

中学英語の教科書風に表現する

 

「これは牛丼ですか」

「いいえ、それは店員です」

「あなたは今までに牛丼屋に来たことがありますか」

「はい、私は何度もこのお店に来たことがあります。私は牛丼が大好きで、週に七回は通っています」

「それはすごいですね。ところで、これは牛丼ですか」

「いいえ、それはメニューです。この中から食べたいものを選んでください」

「これはなんと読みますか」

「それはなみもりと読みます。普通のサイズのことを指します」

「では、中盛つゆだくネギ抜きでお願いします」

「実はあなたは、牛丼を食べ慣れていますね」

「あなたは牛丼が好きではありませんか」

「いいえ、私は牛丼が好きです」

「あなたは牛丼が好きではありません」

「いいえ、私は牛丼が好きです」

「この牛丼はとても美味しいですね」

「牛丼はまだきてません。それはテーブルです」

「これが牛丼ですか」

「そうです。それが牛丼です」

「これも牛丼ですか」

「いいえ、それは店員です」

 

 

 

ケータイ小説風に表現する

 

ウチが牛丼並盛つゆだくとであったのは二年前……

 

ムシャッ、モグッ!

 

みたいな(ワラ

 

そしたら私のキモチは

 

並盛にすっかりメロメロ……

 

二人ですごした時間が

 

わすれられないょ。

 

でもあの日……

 

並盛がバイク事故にあって死んじゃってから……

 

私のココロはからっぽ。

 

みたいな(ワラ

 

 

 

高田純次風に表現する

 

 店に入るなり店員の元気な挨拶が聞こえてさ。サービスいいよね~。え、そうでもない? じゃあそうでもないんだね。

 メニュー見たらサイズが小盛、並盛、大盛ってあったんだよ。もう俺お腹ペコペコでさ、男らしくバシッと言ったね。「すみません、トイレ貸してください」。

 注文したらさ、牛丼が届くまでの時間がまた早いのよ。一分から二時間くらいかな?

 届いた牛丼を見たらまたビックリ! この牛丼ね、なんと牛肉が入ってんのよ~。

 そんで器のデザインがまた最高。俺が今穿いてるパンツと同じ柄でさ~。見てみる?

 また値段が安いんだ。なんと一杯280円でさあ。だって一万倍にしたら280万円だよ?

 それにしても本当に美味しかったね~。食べてないけど。

 

 

 

80年代のギャグマンガ風に表現する

 

 そんなわけでオイラは牛丼屋にきたワケなんだけど、なんだか一悶着ありそうなヨカン……。

「牛丼並ひとつ、お願いします」

「すんましぇ~ん! 牛丼と間違えて牛一匹丸々持ってきちゃいました」

 ズコーッ!

 チ、チミ……それはいくらなんでも間違えすぎではないのかネ……。

「急いで牛丼大盛作りなおします!」

 そうそう、腹ペコなんだから早くしてくれよ。もう待ちきれんワイ。

「並ひとつ注文入りました! ……なに、時給が安いし休みもないからもうやってられないって? おい、みんなどこへ行き……お、おい!」

 サーッ。なんか嫌な予感がするゾ……。

「すみません、他のクルーがみんなスタコラサッサしちゃいました」

 ちゅど~ん!

 ど、どぼぢて……ええい、もうよろしい! お会計だ、オ・カ・イ・ケ・イ!

「はい、牛丼一杯280万円になります」

 どっひゃ~! もう牛丼屋はコリゴリだぁ~!!

 

 

 

村上春樹風に表現する

 

 牛丼屋に足を踏み入れた僕を迎えたのは、クリスマスと夏休みと生まれたての子犬が一緒になったような優しさを持つ女性店員だった。

「ご注文をお伺いします」彼女が言った。

 広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい食欲だった。それは行く手のかたちあるものを残さずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。そして勢いをひとつまみもゆるめることなく大洋を吹きわたり、アンコールワットを無慈悲に崩し、インドの森を気の毒な一群の虎ごと熱で焼きつくし、並をつゆだくで頼んだ。

「僕はこれからこの牛丼にうってつけのサイドメニューを頼もうと思っているんだ。それは一体なんだと思う?」

「ご注文をお願いします」

「僕は生卵とみそ汁を注文するだろう。だけどそれは僕が決めたことじゃないよ。わかるかい。これは決まっていることなんだ」

「牛丼並のみそ汁セットでよろしかったですか?」

「完璧な牛丼などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」

「牛丼並のみそ汁セットですね。ありがとうございます」

 数分ほどで牛丼セットが届くと、僕は一気にかっこんだかもしれないし、かっこまなかったかもしれなかった。あるいは、山盛りの紅しょうがだったのかもしれない。

 グリーンティーを飲み干して天井を見上げると、春先のモルダウ川のように穏やかな時が過ぎた。隣の席ではサラリーマンが丼を手にいびきをかいていた。この世界ではみな等しく、疲れている。

 牛丼を食べ終えた僕は席を立ち、出口へと向かった。すると、彼女は冷たい目を僕に向けながら、意地の悪そうな声付きで話しかけてきた。

「お客様、お代をまだいただいておりませんが」

 やれやれ。僕は小さく微笑むと、レジに背を向けた。代金のことなどすでに、僕達が考えなければならないような重要なことではなかったのだ。

 

 

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吉野家 牛丼の具 冷凍 135g×10個入り

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