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日本がすごい桃太郎

桃太郎

 

 昔々あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。ふたりとも百歳を超える高齢でしたがまだまだ元気。日本は世界でも屈指の長寿大国だからです。

 おばあさんが世界最高水準の性能を持つ国内メーカー産の全自動洗濯機を使うための水を川へと汲みに行き、その際ついでに川の水を飲みました。水道水が飲めない国も多い中、日本の水の衛生管理は徹底されていました。

 すると、川上から大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。おばあさんはそれを拾うと、交番に届けました。落としたものがきちんと落とし主に戻ってくる。日本人の優れた倫理観はおばあさんにも脈々と受け継がれていたのです。

 帰り際、おばあさんはコンビニに寄り、「夜になったら店を閉めるような国ばかりの中、二十四時間いつでも買い物ができて便利なサービスが安価で使えて接客が礼儀正しい店がたくさんある。日本のサービス業は本当に素晴らしいわい」などと言いながら、おばあさんは大きな桃を買いました。

 家に帰っておじいさんと桃を割ってみると、中から元気な赤ん坊が出てきました。

『桃の中から赤ん坊だって? 本当に……日本人の想像力はとんでもないね。ハヤオ・ミヤザキやアキラ・トリヤーマを生んだ国なだけはあるよ』(アメリカ人・男性)

『桃から子供って発想がロマンティックだわ。これこそまさにクールジャパンね!』(フランス人・女性)

 桃太郎と名付けられた子供はすくすくと育つと、大学生になりました。時は大学全入時代。日本人の学力は世界でもトップレベルの水準だったのです。ある日、いつものようにネットサーフィンをしていた桃太郎は突然こう叫びました。

「治安が良くて犯罪が少ない平和なこの国に、不安の影をもたらす寄生虫のようなやつらがいる。それは鬼だ! おじいさんおばあさん、僕は目覚めました。僕は侍だったんです。愛すべきこの国のために、必ずやこの大和魂を以て鬼達を征伐してみせましょう」

桃太郎の決心が本物だと理解したおばあさんは、きび団子をこしらえました。ちなみにカップヌードルを発明したのは日本でしたが、きび団子を発明したのも日本だったのです。

そして桃太郎は『日本(が)一(番すごい)』と書かれた旭日旗を掲げると、「この国の誇りを取り戻せ!」と拡声器で叫びながら鬼ヶ島へ向かいました。

 すると、目の前から犬と猿とキジが歩いてきました。

「私達、日本が大好きで留学にきたんです。特にきび団子が大好きで、キジはきび団子のファンサイトを運営しているんですよ。そのきび団子をくれたら、鬼退治デモに参加したいと思っています」

 桃太郎はえびす顔で三匹にきび団子をあげ、三匹は桃太郎の家来になりました。

『犬と猿とキジを家来にするなんて、まさにジャパニメーションの世界だね。派手な争いを好まない日本人のワビサビがよく出てると思うよ』(イタリア人・男性)

『きび団子で動物を従えるなんてフレンドリーだわ。これこそまさにクールジャパンね!』(フランス人・女性)

 ひとりと三匹がきっちり時間通りに到着する電車に乗って鬼ヶ島に辿り着くと、そこでは鬼達が慎ましく暮らしていました。

 すると、桃太郎は世界的にも評価が高い日本人ならではの礼儀正しさ存分に発揮し、鬼達に深々と頭を下げて挨拶をしました。

「拝啓、鬼の皆様。お変わりはございませんでしょうか。遠く離れるあなた方を思って窓の外を覗く度に、山々の彩りの移り変わりが四季折々の美しさを物語り、その風情たるや、嗚呼、この国に生まれてよかったという思いを日々噛みしめております。さて、不躾な申し出ではございますが、退治させていただきたく思います。敬具」

 桃太郎達は何に対してとはわかりませんが「万歳!」と叫びながら鬼へ一斉に襲いかかりました。

 鬼達の身体をバッサバッサと斬り捨てる桃太郎の使っている刀は、著名な刀鍛冶師と世界的に有名な国内刃物メーカーが共同開発を行い最高の技術で作られた至高の逸品。日本が誇るものづくりの精神が注ぎ込まれたその刀は、鋭い切れ味はもちろんのこと錆びにくく折れにくく、またわずか百グラムという軽量化にも成功。安全面にも配慮した作りも評判を呼び、昨年度のモンドセレクション金賞を受賞しました。

『もう日本製の刀じゃないと料理はできないね。中国四千年の歴史も形無しだよ』(中国人・男性)

『この刀身の輝きはまるでダイヤモンドだわ。これこそまさにクールジャパンね!』(フランス人・女性)

 桃太郎達の猛攻でついに陥落してしまい、土下座で許しを請う鬼達。その姿を見た桃太郎は「ジャパン・アズ・ナンバーワン!」と叫びました。

 鬼達の隠していた財産を前にした桃太郎は日本人ならでは謙虚さと質素さを発揮して、「食べていくのに最低限の金額で充分だよな」と言うと、九割だけ持って帰ることにしました。

 こうしてトヨタ桃太郎はSONYいつまでも幸せにンテンドー暮らしましパナソニックたとさ。

 余談ですが桃太郎を考案したのはなんと日本だったのです。

 

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