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よく知らないけれどカゲプロをパクってみた

 

【知っている情報】
・「カゲロウプロジェクト」というタイトル(?)
・「メカクシ団」というフレーズ
・「パーカーがパクリ」になること
・「じん(自然の敵P)」という名前
・アニメ化が決定している

 

 中年男性は夜道を全裸で疾走していた。所属している闇の組織から与えられた任務に失敗したのだ。彼が身を置く世界に於いて、任務の失敗は即ち「処分」を現す。背後では彼の命を狙う銃声が鳴り響いていた。
「くっそう、ワシはなんであんなしょっぱいミスをしてもうたんじゃ。今まで一度だってあんな失敗したことはなかったのに!
 慢心が産んだ些細な失態だった。しかしその代償はあまりにも大きい。
 彼らの組織は通称「カゲロウプロジェクト」と呼ばれた。任務はひとつ。深刻化する自然破壊によって絶滅の危機に瀕した昆虫「カゲロウ」を森から保護し、組織で保護しながら繁殖させることだったのだ。しかし肝心のカゲロウを捕まえることには成功したものの、昼食に食べた手羽先の油によってベタベタになった手がすべってしまい、うっかりカゲロウを十匹ほどひねり殺してしまった。
 カゲロウ一匹の命、人間一人の命より重し。それが組織の理念だ。命を狙われた中年男性は息も切れ切れに身を隠すところを探し続ける。
 そのとき、中年男性の前にひとりの若い男が現れた。
「おっさん、あの組織に狙われているんだな。助けてほしかったら俺の組織にこい」
「な、なんなんだお前は」
「お前らの敵対勢力だよ。自然破壊を促進する組織、通称【自然の敵P(プロジェクト)】だ。俺は組織のリーダーの“じん”。以前からお前の能力は敵ながらも買っていたんだ。うちの組織に転向するなら、お前の身を預かってやろう」
「冗談じゃない! なんでワシがお前らのように自然の尊さも理解できないようなやつらに……」
「人間も自然界の大切な要員。それを軽視する組織をお前は肯定するのか? 俺達はあらゆる自然を分け隔てなく否定する。あらゆるものは人工物であるべきだ。それともここでカゲロウのように儚く命を散らしてみたいか?」
 中年男性は折れた。なに、自然を守る行為自体はどこにいたってできる。命あっての物種である。ここはおとなしく彼らに身を託して危機をしのぎ、改めて組織から抜け出せばいい。
 『じん』に誘われて【自然の敵P】が所有する倉庫に辿り着いた中年男性。そのとき、カチャリという音と共に後ろに回された手首にヒヤリとした感触が走る。
「な、なんだ。一体何のつもりだ! やはり最初からワシの命を狙って……」
「ふふ……【自然の敵P】には組織に入るための入団試験があってな。組織への忠誠心を試すため、俺の寵愛を受けてもらわなければならない」
「なんだと! はなせ、はなさんか!」
「ひと目見た時からお前の身体にそそられていたんだ。なに、痛くないように怖くないようにしてやるよ」
 そういうと『じん』は「団」と書かれた布で中年男性のメをカクシた。そのほうがより興奮するという一面もあるからだ。
「やめろ、ワシはそんなことする気はない! やめんかあああ!」
「そんなこと言ってもお前のヘッドフォンアクターはもうこんなにサマータイムレコードじゃないか」
 中年男性が足をパーカーっと開くと、じんはフードをかぶっていた股間のそれを見るやいなやいてもたってもいられずパクリとくわえてしまった。
 そこから先は阿鼻叫喚。ぶつかりあう肌と肌。汗と汗とが飛び散って、獣欲愛欲入り混じり、その光景を映した動画は中高生を中心に支持を集め七億再生を突破。【自然の敵P】は支持者を集めて繁栄したのだった。あとアニメ化が決定した。

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カゲロウデイズ -in a daze- (KCG文庫)

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