管理人のプロフィール・連絡先などはこちらから。

今年面白かった非実在映画ランキング

 

 「アナと雪の女王」のヒットがまだまだ記憶に新しい2014年。今年もたくさんの非実在映画が公開されませんでした。

 僭越ながら管理人が今年劇場で観なかった非実在映画の数々から、ベスト5を選出したのでご紹介させていただきます。

 

 

f:id:nanaoku:20141218011529j:plain


第5位 ゾンビだョ!全員集合(原題:DRIF OF THE DEAD/2014年/アメリカ)

 監督デビュー作でありながらゾンビ映画ファンから賞賛の嵐を受けた前作『ゾンビのドンとやってみよう!』から二年。新鋭ヤッタロカ監督期待の第二作はゾンビ映画と家族愛を見事にミックスさせ第65回セントブリタニカ映画祭で監督賞を受賞した「泣けるゾンビもの」。

 物語中盤、畑から盗んだ大根を食べたことから脳を寄生虫に侵食された主人公の肉体が徐々にゾンビへと変わり果て、愛する家族のことを忘れていく姿は涙なしでは見られません。

 ちなみにゾンビ用の特殊メイクを担当したメイクアップアーティストは、監督の元カレ。その関係をいいことにタダ同然でこき使われたことに腹を立て、告訴の準備もしてるんだとか。監督、私生活もパニックホラー?って感じです。

 

 

 

f:id:nanaoku:20141218015957j:plain

 

第4位 1964年、グルノーブルにて。(原題:Grenovel,1964/2014年/フランス)

 フランス映画会の重鎮、ヤンマーニ監督の最新作は同じ男を愛してしまった姉妹の葛藤と悲恋を描いた壮絶なラブロマンス。本国の監督ファンの間では「シナリオが稚拙すぎる」との評価もあったようですが、僕はそのチープさ加減が絶妙にハマりました。

 やはり注目してほしいのは主演のベベ・コンディヤックの迫真の演技力。元々はミュージシャンとして活躍していた彼女。今回が女優デビュー作ということですがこちらの分野でも才能を発揮。一心不乱に鶏の生首を食べるシーンには狂気すら感じます。

 作中、日本で発見されたばかりの万能細胞で友達の病気を治すシーンが出てくる予定だったのですが、諸事情で急遽脚本を書き換えることに。ベテランの監督もこれには流石に大慌てだったようです。戸田奈津子氏の翻訳も話題になりました。

 

 

 

f:id:nanaoku:20141218022108j:plain

 

第3位 世界一アリエナイ恋(2014年/日本)

 原作は発行部数2000万部突破の大人気少女マンガ。マンガが原作でテレビ局が制作主導となると地雷の香りしかしませんが、TVドラマ界でも数々の名作を送り出してきた女流脚本家・曽根崎心子がシナリオを担当したこともあって、大人の鑑賞に耐えうる傑作に。

 今では飛ぶ鳥を落とす勢いで人気急上昇中の若手女優・犬田ワン子と、人気アイドルグループ『辛子』のメンバーである猫田ニャー男の美男美女カップルは、並んで画面に映るだけでも眼福もの。安心して観ていられる今年最高のデートムービーになりました。

 なお本作は第29回イテコマシタロカ映画祭に正式出品されたのですが、スピーチの場で緊張した監督が思わず「SHINE」を「しね」と読んでしまい、会場中が穏やかな笑いに包まれるなんてハプニングもあったそうです。

 

 

 

f:id:nanaoku:20141218023333j:plain

 

第2位 ちくしょう、転職だ! ~史上最大のカラ残業~(2014年/日本)

 今年最大のダークホースでした。ミニシアターでの公開から口コミで評判を呼び、公開劇場を増やしながらなんと半年に及ぶロングラン上映となりました。早くもマカデミー映画賞の外国語映画賞に日本作品代表としての出品も決まっています。 

 「転職」をテーマに五人の男女が織りなす群像劇となっている本作。日本企業のブラック体質と就職難という社会派なテーマ、そして社畜化していく会社員達の心の闇をポップな感覚で映し出す、その絶妙な演出とストーリーテリングにはまだまだ日本映画の可能性を感じさせてくれました。

 ちなみにこの予想外のヒットを受けて、すでに続編の制作が決定していないとのこと。早くても来年の夏頃に未公開予定。先日、脚本を担当した曽根崎心子がわいせつ物陳列罪で逮捕された影響も懸念されますが、映画ファンは固唾を呑んで見守りましょう。

 

 

 

f:id:nanaoku:20141218024601j:plain

 

第1位 私達が旅に出る理由(原題:404 Not Found/2014年/イギリス)

 迷いに迷って今年のベストにはこれを選出させていただきました。SFやアクションの大作映画で知られる巨匠、ウシダモー・カラスダカ―監督が挑んだ初の文芸作品は、青春の愚直さ、儚さが胸を打つ感動のヒューマンドラマ。

 注目すべきは主演の少年少女達。なんと全員演技経験のないズブの素人。これは一種のドキュメンタリー的とも言える作風になっており、これまで数々のエポックメイキングを生み出してきた監督らしい実験的な要素を含んでいます。もちろん期待を裏切らない高レベルのクオリティに、映画ファンとして心から敬服。

 本作はシナリオの制作がかなり難航したらしく、いつまでも脚本があがらないストレスから監督がスタッフにメガホンを持ってこいと言ったところ、ヒロポンを持ってきてしまい「そうそうこれね。これを一発キメちゃえばストレスなんかぶっ飛んじゃうとか言ってね。そんで錯乱しちゃってさ。全裸になっちゃったりしてね。メガホンにも穴があるんだよなとか言ってね。そのまま自分のカチンコを突っ込んだりしちゃって、ああ気持ちいいな~つってね。これじゃエスエフエックスじゃなくてエスイーエックスだなとか言ってね。バカヤロウなんつってね」なんてエピソードもあったそう。戸田奈津子氏の翻訳も話題になりました。

 

※画像は全てなんとなく貼っているだけで映画の内容とは無関係です。