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撮り鉄が主人公な小説書いてみた

鉄男の朝は早い。まだ朝陽の昇らない午前四時五十五分。目覚まし時計のアラームで目を覚ます。 布団の中で目を開けると、見慣れた薄暗い部屋の壁には、びっしりと写真が貼ってある。 これらは全て、鉄男の撮影したものだ。彼は写真を撮るのが趣味であった。…

世界一ウザい恋愛小説

恋の始まりは突然だった。 僕達はあの夏、人気のない海で出会った。貝殻に耳を傾ける君の姿を一目見たとき、まるで砂浜に打ち上げられた人魚だと思ったよ。これは運命の出会いだと、僕には一瞬でわかったんだ。 二人でよく、海岸線をドライブしたよね。クリ…

たしなみ指南

カンカン照りの江戸の町。真昼間から働きもせずに、薄暗い長屋の汚れた床の上。でっぷりとした立派な体躯をごろりと寝かせているのは大工の熊五郎である。 江戸っ子の血を引いており、その生まれ育ちを誇りに思いながら、如何せん人付き合いの下手な男だった…

未来のキラキラネーム事情はこうなる

「田中さん。田中光宙さん」 静かな院内に受付のナースの声が響く。平日午後の都内某病院フロント前には、まばらな人の姿があった。 「田中光宙さん、いませんか」 受付が追ってその名を呼ぶ。カルテを脇に抱えたひとりの若いナースが、その様子を傍らで眺め…

ツイッター家族の朝は早い

午前六時の起床と同時に行われる、都内に住む女子高生・津井田ポス子の起き抜けの日課といえば、携帯電話から眠気まなこで「おはようなう」と書き込むことであった。 ポス子がその一文を書き込んだのは、今では世界で五億以上のアカウントが登録されている人…